川内教授と大学院生の王君が参画したフランスキュリー研究所との国際共同研究がNature Communicationsに掲載されました。
2025.06.03 最近の研究活動
フランス・キュリー研究所との国際共同研究により、脳腫瘍の進展に関わる新たな分子メカニズムを明らかにしました。
本研究では、小児脳腫瘍モデルを用いた解析により、腫瘍細胞がネトリン1(Netrin-1)と呼ばれるタンパク質を分泌することが明らかとなりました。このネトリン1は、正常脳では軸索誘因物質として機能することが知られていましたが、腫瘍の進展を促進する重要な因子であることが示されました。
さらに、ネトリン1に対する中和抗体を用いた治療実験を行った結果、腫瘍の増殖が有意に抑制されることが確認され、ネトリン1が有望な治療標的である可能性が示唆されました。論文はこちら
本成果は、従来の治療法が効きにくい難治性脳腫瘍に対し、新たな分子標的治療の開発につながることが期待されます。実は川内教授は大阪大学村上富士夫教授門下生で、学生時代にネトリン1の研究を周りがしていたので非常に馴染みがある分子でした。まさか脳腫瘍の分野に移ってから、またこの分子と繋がるとは予想外です。
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