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大学院生の王君が筆頭著者の研究が「Cell Reports」に発表されました。
2025.05.20 最近の研究活動
がんは、遺伝子に傷がつくことで始まると考えられていますが、最近の研究では、それだけでは不十分であることがわかってきました。
遺伝子の変化が「スイッチ」となり、他の遺伝子の働きを調節している染色体の構造(=エピゲノム)にまで影響を与えます。
この構造の変化が、もともと正常だった神経細胞の性質を変えてしまい、「がん化」へと導くのです。
つまり、がんは“遺伝子の傷”だけでなく、“遺伝子の使われ方”の異常も大きく関わっているのです。
私たちは今回、がんにおける遺伝子変異がエピゲノム制御機構に直接影響を与え、その結果として腫瘍形成が促進されるという新たな分子メカニズムを明らかにしました。
この発見は、遺伝子変異の影響が単なる発現変化にとどまらず、細胞内のクロマチン構造や転写制御全体に波及することを示しており、腫瘍の起源や進展過程を理解する上で重要な知見です。
本研究により、エピゲノムの異常ががんの発症において果たす本質的な役割が改めて浮き彫りとなり、新たな治療標的の可能性が広がります。
プレスリリースはこちら
チャップマン助教が北米「the8th Biennial Pediatric Neuro-Oncology Conference」(アメリカ・サンディエゴ)で発表し、Abstract Awardを受賞しました。
2025.05.17 最近の研究活動
名古屋市立大学医学研究科消化器・代謝内科学分野との共同研究で大岩拓矢君が参加しました。
2025.05.15 新着情報
医学研究科消化器・代謝内科学分野片岡先生、久保田先生と胃がんモデルの開発を進めていく予定です。
癌モデルの新しい手法を探るので、非常に楽しみです。(川内)
川内教授と大学院生の王君が参画したフランスキュリー研究所との国際共同研究がNature Communicationsにアクセプトされました。
2025.05.08 最近の研究活動
フランス・キュリー研究所との国際共同研究により、脳腫瘍の進展に関わる新たな分子メカニズムを明らかにしました。
本研究では、小児脳腫瘍モデルを用いた解析により、腫瘍細胞がネトリン1(Netrin-1)と呼ばれるタンパク質を分泌することが明らかとなりました。このネトリン1は、正常脳では軸索誘因物質として機能することが知られていましたが、腫瘍の進展を促進する重要な因子であることが示されました。
さらに、ネトリン1に対する中和抗体を用いた治療実験を行った結果、腫瘍の増殖が有意に抑制されることが確認され、ネトリン1が有望な治療標的である可能性が示唆されました。
本成果は、従来の治療法が効きにくい難治性脳腫瘍に対し、新たな分子標的治療の開発につながることが期待されます。実は川内教授は大阪大学村上富士夫教授門下生で、学生時代にネトリン1の研究を周りがしていたので非常に馴染みがある分子でした。まさか脳腫瘍の分野に移ってから、またこの分子と繋がるとは予想外です。
小林がん学術振興会研究助成「先駆的研究1」に上衣腫の研究が採択されました。
2025.05.07 新着情報
川内教授が肖君の進めている研究「テント上上⾐腫においてアノイキスを誘発する治療標的分⼦の同定と新規治療法の確⽴」です。
特に脳内微小環境とがんに発現する膜タンパク質の相互作用の阻害がアノイキスにどう関わるのか、に関する研究です。
さらに、上衣腫の発生や治療に関する共同研究は川内教授の以前の職場であるドイツがん研究センターのGroup Leader Kristian Pajtlerや京都大学医生物学研究所の永樂元次教授と異なる視点・アプローチでも進めています。
川内教授がAACR Annual Meeting 2025 “AACR-JCR Joint Symposium”でシンポジストとして研究発表を行いました。
2025.04.28 最近の研究活動
「Unraveling cancer-specific epigenome to delineate targetable neural mechanisms in SHH-medulloblastoma」のタイトルで代表的な小児脳腫瘍である髄芽腫におけるエピゲノムの重要性に関しての研究発表です。エピゲノムの理解がどのように治療標的の同定につながるか、その成功例を動物モデルによる研究によって説明しました。
第145回日本薬学会シンポジウム「異分野連携で拓くがん研究の最前線」で研究発表をしました。
2025.03.28 最近の研究活動
初めての日本薬学会での発表でした。武蔵野大学大畑先生、NAIST藤間先生にお誘いいただき、違う分野の先生方にも私たちの脳腫瘍研究の話をさせていただく機会を持ちました。また同じシンポジストでがん研片山先生、北海道大学小川先生とも知り合いになることができ、有意義な経験をさせていただきました。皆様、引き続きよろしくお願い致します。(川内)
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